公務員への転職のメリットとデメリットを実経験者が解説
- 公務員への転職を考えている方へ向けて、そのメリットとデメリットを紹介
- 公務員の一番大きなメリットはやはり「安定」
- スキルが身に付きにくい、一度公務員になってしまうと民間企業への転職が困難になるなど、デメリットも少なくない
- 転職したいと考えている人は、公務員だけをみるのではなく、別の民間企業へも目を向けてみよう
公務員への転職のメリットとデメリットを解説
民間企業から公務員へ転職したいと考えている方は比較的多いのでは?とわたしは考えています。
公務員といえばやはり安定した職種で、うらやましいと思うことも多いでしょう。
しかし、公務員への転職は良いことばかりではありません。
公務員への転職のメリットとは
公務員への転職で、一番大きなメリットといえば「安定」です。
社会の情勢によって給料の変化や倒産が起こりうる民間企業とは違い、倒産する可能性がなく、安定して仕事ができる点は最大のメリットといえるでしょう。
また、金額の変動がありますが、様々な手当てがあることも魅力です。
住宅手当や通勤手当、扶養手当などの手当の支給が必ずありますし、有休や育休の制度がしっかりしていることや給料が勤続年数に応じてきちんと上がることなどもメリットとして挙げられます。
民間企業ではどうしてもどれかが欠けてしまうことの多い制度がすべて整っていて、権利として使用することができる点は民間企業から公務員への転職での大きなメリットといえるでしょう。
公務員への転職のデメリットとは
さて、働く面ではいいことがたくさんあるように思える公務員ですが、デメリットも少なくありません。
窓口業務から事務的な業務、出張など、公務員はかなり多忙を極めます。
公務員といえば、役所でだらだらしていると思われがちですが、そんなことは全くありません。
事務をしながら窓口業務をしたり、怒鳴り込んでくる住民さんがいたり、鳴りやまない電話など、心にも体にも負担が多い業務内容になることも少なくありません。
その上、3年前後で異動になるので、毎回新しい環境での出発を余儀なくされます。
異動の際には個人的事情が考慮されることは少ないため、出張がたくさんある部署や、自分の全く経験したことのない部署など、様々な場所での勤務が想定されます。
また、公務員は国民の税金で給与が出ています。
そのため不況になったりその地域でなにかあったりすると、真っ先に矢面に立たされます。
官公庁で起こったこととはいえ、直接自分には関係ないのに、全く知らない人から罵倒を受けたり、役場で働いているだけで家族が差別を受けたり、そのようなことが起こりうる点ではデメリットもあるといえるでしょう。
更に、勤続年数で給与が上がる点も、ある意味デメリットです。
民間企業のように実力で給与が上がることはまずない上に、階級で給与が決まっているため、民間企業で働いていた人からすると、モチベーションとしてデメリットになってしまう部分かもしれません。
実際に公務員に転職して感じたメリットとデメリット
一見すると、公務員への転職は比較的メリットが多いと思われます。
ただ、前項まででお伝えしたように、デメリットも多くあるのが現状です。
ここでは、実際に民間から公務員へ転職した筆者の実体験の中で感じたメリットとデメリットをお伝えします。
公務員への転職で感じたメリット
やはり、安定しているということが最も大きなメリットでした。
出勤から退勤まで、ある程度のルーティン業務になっており、民間企業のように急なイレギュラーが起こることが少ないです。
毎日決まった時間に出勤できて、決まった時間にお昼休憩が取れるのは身体的にも大変安定して働くことができる環境でした。
地方公務員だったので、働いている方も住民さんも地元の方であることが多く、大変アットホームな環境で業務にあたることができるため、前項で書いたような心の負担は少なかったです。
昇級試験が受けられるのもメリットだと私は感じました。
民間企業では実力で査定されますが、昇級試験で昇進が決まるため、普段の勤務態度に加えて試験対策をしっかりすれば、ほぼ確実に昇進することができます。
公務員への転職で感じたデメリット
想定外に残業が多く、定時に退勤できることはほぼありませんでした。
配属された部署がかなり多忙な部署であったこともあり、ほとんどの職員が毎日残業となっていました。
民間企業の場合、繁忙期と閑散期があるため、仕事のメリハリもつきやすいですが、公務員は年間を通して業務が詰まっているため、やってもやっても仕事が終わらないという状況が出来上がっていました。
公務員への転職前にはこんなに忙しくなることはまったく想像もしていなかったので、思わぬデメリットに出くわしましたね。
また、ルーティン業務が多いため、民間企業で培ったノウハウや経験を活かすことは全くできませんでした。
スキルアップにつながる転職がしたい方にはあまりお勧めできない職種かもしれません。
その上、民間企業から公務員へ転職すると、公務員から民間企業への転職がかなり難しくなるというデメリットもあります。
公務員は近年、民間企業のやり方を導入するべく、民間企業からの転職を幅広く受け入れています。
しかし、民間企業での経験は昔から公務員として働いてきた上司に受け入れられることは少なく、ほとんど昔ながらのやり方での対応を求められます。
そのため、「公務員として勤務していた」ことで得られるスキルは少なく、民間企業への際転職を考えた際にスキルアップができていないと感じることがあります。
また、安定した公務員をなぜやめてしまうのか、そういった面でネガティブなイメージを抱かれることも少なくなく、転職を考えることが難しい職種ではあります。
一度公務員になったが、それでもやはり民間企業へ戻った
私は、民間企業 → 公務員 → 民間企業というようなキャリアを歩んできた特殊な人間です。
なぜ一度公務員になったのに、民間企業へ転職しなおしたのか?と疑問に思われる方も少なくないでしょう。
私がもう一度民間企業へ転職した最大の理由は、仕事へのモチベーションが保てなかったからです。
自分の甘さがこのようなキャリアとなってしまったといえばそれまでですが、やはり仕事をする上で一番大切なものはモチベーションだと思います。
一度公務員になった経験があるからこそ、どんな人よりもそれが大切であると実感しています。
公務員から民間企業への再転職活動はなかなか骨が折れましが、過去に民間企業で働いていた経験があったのでなんとか乗り越えることができました。
いまでは、民間企業でスキルアップができる、ゼロから1を生み出せるような仕事に就けて、毎日が楽しく過ごせています。
全ての人に当てはまることではないと思いますが、私には民間企業の方がやりがいを持って働ける環境だったということが分かりました。
さいごに私個人の意見になってしまうのですが、いま民間企業に勤めている方で公務員へ転職したいと考えている方は、別の民間企業への転職も選択肢の1つとして考えてみてはいかがでしょうか?
公務員への転職のメリットとデメリット以外の転職活動に関するノウハウ
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メリットとデメリットを良く考えよう
公務員への転職のメリットとデメリットを紹介しましたが、いかがでしたか?
公務員への転職は、安定した職務と充実した福利厚生を得ることができ、将来的な心配は少ない、メリットの多い転職です。
しかし、自分のスキルアップにつながる職種かといわれると、つながりにくい職種であるといえます。
これらのメリットとデメリットをよく考えたうえで公務員への転職を考えると良いでしょう。