派遣、契約社員から正社員になる方法は?正社員登用を待たずに転職するメリットは?
- 派遣社員、契約社員の現状を解説
- 自分が派遣、契約社員になった経緯を整理しよう
- 正社員登用制度には罠がある
- 正社員登用を待たずに転職するメリット、方法を解説
- いま派遣社員や契約社員の人はなるべく若いうちに転職をしよう
派遣社員、契約社員から正社員になるのは難しくない
いまこの記事を読んでくれている人は、派遣や契約社員であることに不満や悩みをもっている方、正社員として働きたいと考えている方だと思います。
派遣、契約社員から正社員になるのは難しいものなのでしょうか?
この答えはNOです。
正社員になることはそんなに難しいことではありません。
派遣社員、契約社員の現状
まずはあなたの置かれている状況を整理するためにも、厚生労働省の統計結果から派遣や契約社員などの非正規労働者の現状を見てみましょう。
派遣社員数と契約社員数の推移
派遣社員数は1996年から、契約社員数は2001年から急激に増加しています。特に契約社員数はいまだに増加傾向にあるのが現状です。
これは、バブル崩壊後に企業が正社員数を減らして低賃金の労働者を求めたことが要因になっています。
また労働者側でも、好きな時間だけ働きたい、会社に拘束されたくないというニーズが増えたことも関係しています。
正社員と非正規労働者の賃金格差
年収の格差もこのグラフの通り大きな差が生まれていることが分かります。
時給換算にしても、正社員と非正規労働者では1.5~2.0倍の格差があると言われています。
雇用形態別給料(企業規模・主な産業別賃金)
どの産業、どの企業規模においても給料格差が目立っていることが分かります。
なんとなく頭では考えていたとは思いますが、これだけの格差を数値で目の当たりにしたわけです。
さて、あなたはどう感じたでしょうか?
派遣から正社員になりたい人は全体の40%
派遣社員から正社員になりたいと考えている人は全体の40%にも上ります。
以下が厚生労働省が調査をし、2018年10月17日に発表した内容となります。
派遣労働者の今後の働き方に対する希望について、派遣労働者、派遣労働者以外等のいずれかで働きたいか訊いたところ、「派遣労働者以外の就業形態で働きたい」が 48.9%、「派遣労働者として働きたい」が 26.8%、「その他」22.9%となっている。
「派遣労働者以外の就業形態で働きたい」と回答した者のうち 80.8%は「正社員として働きたい」としている。
(ちなみに、この40%という数値は、48.9% × 80.8% = 39.5% として算出しています。)
この調査は派遣社員に焦点をあてていて契約社員については言及されていませんが、おそらく契約社員の方にも同じぐらいの割合で正社員として働きたいと考えている人がいると予想できますね。
このほかの派遣社員の実態
ここで紹介している以外の派遣社員の実態についてさらに知りたい方は、下記に載せている厚生労働省のホームページを確認してみましょう。
厚生労働省では、このほど、平成 29 年「派遣労働者実態調査」の結果を取りまとめましたので、公表します。
「派遣労働者実態調査」は、派遣労働者の就業実態及び事業所における派遣労働者の受け入れ状況等を把握することを目的とし、事業所規模5人以上の事業所約 17,000 か所と、そこで働く派遣労働者約 14,000 人を対象として平成 29 年 10 月1日現在の状況について調査を実施しました(前回は平成 24 年に実施)。
有効回答率は事業所調査で 59.5%、派遣労働者調査で 62.0%でした。
派遣、契約社員になった経緯は?
あなたはなぜ今現在、派遣社員や契約社員として働いているのかを考えてみましょう。
正社員としての就職に失敗したから?
会社に「まずは契約社員から」と言われたから?
好きな時期に働きたいから?
いま、正社員になりたいと考えている方のほとんどは、次のケースだと思います。
- 正社員としての就職活動に失敗したので、しかたなく派遣や契約社員として働いている。
- 派遣なら好きな時期を選んで働くことができるなどの融通が利いたけど、待遇に納得がいかなくなった。
どちらのケースの人も、すぐに転職活動をはじめたほうが良い人と言えます。
今の世の中、フリーターやニートの人でさえ引く手数多の現状をご存知でしょうか?
転職活動に踏み切るならまさに今はうってつけの時期です。
団塊の世代が抜けることにより、企業は今後さらなる人材不足になることは間違いありません。
正社員としての就職活動に失敗したなら、派遣や契約社員の待遇に満足がいかなくなったのなら、いまから転職活動をすればいい。
答えはとても単純です。
上の賃金格差のグラフからも分かるように、そのまま派遣や契約社員を続けていても給料は上がる気配はまったくありません。
今の現状に何か不満を抱えているのなら、すぐに正社員を目指しましょう。
あなたが転職活動を始めても責めたりする人は誰もいません。
人材売り手市場の現在なら転職活動を続けている限り、必ず正社員への道が開かれます!
正社員登用制度の罠
契約社員の方や就職、転職活動をしていて求人票を良くチェックする方なら良く聞く制度だと思います。
これは、非正規労働から正社員に上がるための制度ですが、実はこの「正社員登用制度」は全く法律では定められていない制度なのです。
つまり、その人物を正社員にするかどうかは会社(しかも直属の上司などのある特定の個人)の裁量によるところが大きく、この制度自体は存在するのだけど、まったく実績が無いなんてことも少なくありません。
また、契約社員として数年働けば正社員になるチャンスがあります、なんて射幸心を煽っておきながらその人の気持ちをコントロールしていつまでも低賃金で働かせるような悪徳な企業の噂も良く耳にします。
そんな中いつまでも、正社員になるのを待つのは最善の手とは言えません。
しかも正社員登用制度を適用するかどうかの判断するにいたるまでには様々な状況(会社の業績や人材の確保状況)などに左右されるのが大前提なので、どんなに有能な人であっても正社員としての声が掛からない、なんてこともあり得ます。
派遣や契約社員として働いていて、どうしてもその企業じゃなきゃダメというなら、この制度に頼るのも悪くは無いですが、そういう人はごく一部のはずです。
正社員登用を待たずに転職するメリット
上で説明したとおり、派遣や契約社員の方が正社員登用を待つことは得策とは言えません。
正社員になりたいのなら、転職活動をするのが正しいやり方と言えますし、正社員になるまで数年待たなくてはいけないなんてこともありません。
転職活動をいますぐはじめれば、早ければ1、2ヶ月後にはあなたは正社員として働いている可能性すらありえます。
そうなんです。正社員登用を待たずに転職する最大のメリットは、数ヶ月後には正社員になれるという点です。
では、転職活動をするメリットを全て見てみましょう。
- 数ヶ月後には正社員になれる。数年単位で待たなくて良い。
- 給与面などで客観的にあなたの価値を判断してくれる。
正社員登用による正社員昇格だとあなたの能力ではなく、非正規労働時代の給与で判断されてしまう可能性大。 - 正社員になるチャンスは転職活動を続けていく限りいくらでもある。
正社員登用制度の場合、会社の特定の個人の裁量が大きく、しかもチャンスは数年に一度きり。
これだけのメリットがあるにも関わらず、正社員登用をいつまでも待って、そこでくすぶっているのは非常にもったいないことです。
特に、派遣社員として働いてる人は、特定の分野に秀でている人が非常に多く、特別なスキルや資格、経験が豊富な人も多いと思います。
そういう能力のある方は、どの企業も正社員として欲しがる人材であることを覚えておきましょう。
派遣、契約社員から正社員になるための転職活動方法
人材売り手市場の現在の世の中には求人があふれています。
しっかりとした方法で転職活動を進めていけば、必ず就職先が見つかります。
また転職活動を行なっているにも関わらず、正社員としての就職先がなかなか決まらないという方は転職活動のやり方が悪いのかもしれません。
では、実際どのように転職活動を進めていくことが正社員になるための近道となるのかを説明していきます。
ひとりで転職活動をしない
まず転職活動を成功させるためには、ひとりでの転職活動をしないことです。
ひとりで転職活動をするとどういった問題があるのかをみてみましょう。
- ひとりで行なう転職活動には時間が掛かる。
派遣や契約社員の場合、給料は時給計算の場合も多いですし、有給をとることにも大きなハードルがあるはずです。
そうすると仕事の休みがなかなか取れず転職活動に割く時間がとれません。そうすると正社員へのモチベーションを保てずに結局中途半端で終わってしまいがちになります。 - 自分の市場価値が分からない。
長い間、派遣や契約社員で働いてきた方は自分の市場価値を客観的に判断できなくなっているはずです。
ほとんどの派遣、契約社員の方々は自分の市場価値を低く見積もってしまう傾向にあります。
しかし、それはあなたの責任ではありません。長い間企業に低賃金の労働力として雇われてきたので、無意識にそうなってしまっているだけなのです。 - 求人が少ない。求人を探せない。
企業は中途採用の場合、募集件数を減らす、限定するためにほとんどを非公開求人(企業のホームページには載せていない求人)で出しています。
つまりひとりでインターネットを使って検索したとしても、あなたが求めている求人はほぼ見つからないか、見つかっても数が少ない結果になってしまいます。
では、ひとりで転職活動をすることがダメだったら、誰とすればいいのでしょうか?
それは、転職エージェント、キャリアカウンセラーと転職活動を進めていくことです。
転職エージェントを利用することにより、ひとりの転職活動で起こる問題は全て解決されます。
また、派遣や契約社員であることのビハインドを埋めるためにも転職エージェントの利用は欠かせません。
転職エージェントのメリット
派遣、契約社員から正社員になるための転職活動方法はズバリ、転職エージェントを利用することです。
転職エージェントを利用した転職活動なら、転職成功率も優良企業の正社員になれる確率も格段にあがることは間違いありません。
それでは、転職エージェントを利用することのメリットを紹介します。
- 企業とのスケジュール調整をしてくれる。
エージェントは企業の人事部との関係性が非常に濃いので、個人レベルではできない面接、入社日などのスケジュール調整もしてくれます。 - 面倒な書類作成の手伝いをしてくれる。
慣れていないと非常に時間が掛かるのが応募書類の作成です。
キャリアカウンセラーは面談をするだけでなく、履歴書や転職活動には欠かせない職務経歴書などそれぞれの企業にあった書類の作成方法を伝授してくれます。
あなたが時間をあまり掛けずに適当に作った書類でも、キャリアカウンセラーはしっかりとした添削をしてくれるので、そのあとに言われたとおりの修正を加えるだけでも立派な応募書類が完成します。 - キャリアカウンセリングにより客観的にあなたの市場価値を見極め、適正にあった求人を紹介してくれる。
複数回の面談を通して、あなたが派遣や契約社員であることには関係なく、あなたの能力だけで客観的にあなたの市場価値を見極めてくれます。
そして、その能力を基準としてあなたの適正にあった求人を紹介してくれます。 - 転職市場の80%以上を占める非公開求人を紹介してくれる。
中途採用の募集をかけるときにほとんどの企業は転職エージェントを利用します。企業の人事部のリソースも限られているので、本来人事部でやるべき仕事を転職エージェントに頼っているのです。
そういった非公開求人も転職エージェントに登録している人なら紹介を受けることができます。 - モチベーションを保てる。
これも実は意外に大きなメリットです。ひとりだと続かないことも、相方がいれば心強いですよね。
これだけのメリットがあるにも関わらず、しかも無料で利用できるので、利用しない手はありません。
転職エージェントを積極的に利用して、あなたのために転職活動をしてもらいましょう!
転職エージェントはどんな人でも見捨てない
派遣や契約社員として働いている人は、そういった自分の境遇に対するうしろめたさや恥ずかしさがある人が少なくありません。
「こんな自分が正社員なんて…」や「どこの企業も正社員として雇ってくれるわけが無い」という考えから、「本当は正社員として働きたい」のに自分のその思いを押し殺してしまい転職活動に踏み込めないなんて経験をしたことはありませんか?
転職エージェントはどんな経歴、能力、性格、境遇の人も見捨てません。
登録さえすればどんな人に対しても時間をとって、しっかりとサポートをしてくれます。
いままで、正社員になりたかったけど転職活動に踏み込めなかったという境遇にあった人は、とりあえず転職エージェントに登録することをおすすめします。きっとあなたの強い味方になってくれるはずです。
20代、30代前半のうちに転職活動をして正社員を目指そう
特に第二新卒世代の20代の方や30代前半の方は正社員になるチャンスがそこらじゅうに転がっています。
フリーターやニート、未経験の方を対象とした人材の確保でさえ活発になってるのだから、現在派遣、契約社員として働いている方が正社員として就職できないわけがありません。
そのまま一生、派遣や契約社員として働かせられるくらいなら若いうちに思い切って転職活動に踏み切りましょう。
派遣、契約社員から正社員になる方法以外の転職活動に関するノウハウ
JOB HUNTING.comでは、転職活動に関するノウハウ情報を提供しています。「転職活動に関する情報を知りたい」という方は、ぜひこちらのコンテンツもチェックしてみてください。
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派遣、契約社員から正社員になる方法、正社員登用を待たずに転職するメリットを十分に理解することはできましたか?
最後にもう一度おさらいで、これらの質問に対する回答をまとめました。
Q:派遣から正社員になる方法は?
A:ひとりで転職活動をしない。転職エージェントを利用すれば派遣や契約社員であることのビハインドを埋められる。
Q:正社員登用を待たずに転職するメリットは?
A:
1.数ヶ月後には正社員になれる。数年単位で待たなくて良い。
2.給与面などで客観的にあなたの価値を判断してくれる。
正社員登用による正社員昇格だとあなたの能力ではなく、非正規労働時代の給与で判断されてしまう可能性大。
3.正社員になるチャンスは転職活動を続けていく限りいくらでもある。
正社員登用制度の場合、会社の特定の個人の裁量が大きく、しかもチャンスは数年に一度きり。
派遣や契約社員の方が転職活動をはじめるのは「正社員になりたい」と思った、まさにイマです。
正社員への切符は誰でも手にすることができますよ!