「働き方の未来 2035」を紹介|注目の3つの討論内容
- 時間や空間にしばられない働き方に
- 自由な働き方の増加が企業組織も変える
- 働く人と企業の関係
厚生労働省発表の「働き方の未来 2035」~一人ひとりが輝くために~懇談会の報告書の一部を紹介します。
また、今回は筆者が注目する3つの討論内容について紹介したいと思います。
「働き方の未来 2035」懇談会とは?
「働き方の未来 2035:一人ひとりが輝くために」懇談会は下記(厚生労働省引用)の検討をするために開催されました。
お国の文章ってちょっと複雑に書いてあって何を言っているのか良く分からないことが多々ありますが、
簡単に説明すると、「将来より良い社会を作るため、働き方のあり方を考えましょう」ということです。
その”将来”の定義として、2035年が目標到達ポイントとして設定され議論されています。
グローバル化や少子高齢化の急速な進行、IoTやAI等の技術革新の 進展により、産業構造・就業構造や経済社会システムの大きな変化が予想さ れる中で、個人の価値観の多様化が進んでいる。こうした中、女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗を経験した方も、障害や難病のある方も、すべ ての方が能力を最大限に発揮し誰もが活躍できる社会を実現し、個人の豊かさや幸せを向上させる必要がある。同時に、生産性・企業価値の向上を通じた持続的で豊かな経済成長を可能とすることが求められている。そのためには、2035 年を見据え、一人ひとりの事情に応じた多様な働き方が可能となるような社会への変革を目指し、これまでの延長線上にない検討が必要である。(以下「懇談会」という。)を開催する。(厚生労働省)
第1回が2016年1月28日に実施され、全12回にも渡る懇談会になりました。
その、全12回の検討内容が、今回「働き方の未来 2035」~一人ひとりが輝くために~懇談会の報告書」にまとめられました。
注目討論①:時間や空間にしばられない働き方に
働く場所に関する物理的な制約がなくなり、多くの仕事が、いつでもどこでもできるようになる。こうした流れは2035 年に向けてさらに進むことになる。
こうした変化は決して、人々がいつでもどこでも「働かされる」事ではない。
2035 年には、各個人が、自分の意思で働く場所と時間を選べる時代、自分のライフスタイルが自分で選べる時代に変化している事こそが重要である。技術革新の成果はそのために積極的に活用されるべきだ。物理的に同じ空間で同時刻に共同作業することが不可欠だった時代は、そこに実際にいる「時間」が働く評価指標の中心だった。だが、時間や空間にしばられない働き方への変化をスムーズに行うためには、働いた「時間」だけで報酬を決めるのではない、成果による評価が一段と重要になる。その結果、不必要な長時間労働はなくなり、かつ、是正に向けた施策が取られるようになる。
注目議論➁:自由な働き方の増加が企業組織も変える
技術革新は、働き方のみならず、企業や経済社会全体のあり方を大きく変革させる。自立した自由な働き方が増えることで、企業もそうした働き方を緩やかに包摂する柔軟な組織体になることが求められる。
人が事業内容の変化に合わせて、柔軟に企業の内外を移動する形になっていく。その結果、企業組織の内と外との垣根は曖昧になり、企業組織が人を抱え込む「正社員」のようなスタイルは変化を迫られる。
企業に所属する期間の長短や雇用保障の有無等によって「正社員」や「非正規社員」と区分することは意味を持たなくなる。
このように2035 年には、企業の内外を自在に移動する働き方が大きく増えているに違いない。それまでに、そうした移動を容易にする仕組みが整えられることが重要になり、それぞれの人の能力や評価に関する情報は、より幅広く情報が共有されている社会になっていく必要がある。
注目討論➂:働く人と企業の関係
働く人は仕事内容に応じて、一日のうちに働く時間を自由に選択するため、フルタイムで働いた人だけが正規の働き方という考え方が成立しなくなる。同様に、それより短い時間働く人は、フルタイマーではないパートタイマーという分類も意味がないものになる。
技術革新のスピードが速いことを考えると、専門的な能力は、環境の変化に合わせて変化させていく必要があり、一つの職業に「就職」をしても、「転職」は柔軟に行える社会になっている必要がある。
これまでのように企業規模が大きいことのみでは働く人のニーズを満たすことはできず、働く人にどれだけのチャンスや自己実現の場を与えるかが評価されるようになる。企業経営者も企業規模を拡大させることよりも、企業の個性を磨き魅力を高め、働く個人から選ばれる企業を目指すことが求められるだろう。
「働き方の未来 2035」で討論されたように未来の働き方は変わる
厚生労働省発表の「働き方の未来 2035」~一人ひとりが輝くために~懇談会の報告書の一部を紹介しました。
この懇談会の報告書をまとめるだけに留まらず、今回の検討内容が本当に2035年に実現している社会を目指して、厚生労働省の方々には頑張って頂きたいですね。
新卒、既卒、第二新卒世代の求職者、転職者の方々はこの内容を見てどう感じたでしょうか?
今とは全然違う働き方のスタイルが求められる将来になっているかもしれませんね。
また、今回紹介した3つの討論内容の視点で仕事探しをするのも面白いかもしれません。
生涯一つの会社に所属するのでもない、働き方のスタイルもコロコロ変わるかもしれない。
そんな中で一番頼りになるのは、やはり、あなた自身が身に着けた能力だけなのかもしれません。
そのあなたの能力を磨くためには、どこの会社がより優れているかを見極めていく必要性があります。
この記事を読んで厚生労働省の活動に興味を持たれた方は、是非一度厚生労働省の公式ホームページを訪問してみてください。
結構面白い内容のコンテンツがちらほらありますよ。その面白いコンテンツを探し出すのに苦労はしますが。。。(笑)
また、このサイトでは、今後も厚生労働省の活動を細目にチェックして、こういった記事を更新していきたいと思います。
わざわざ厚生労働省のホームページに行って興味深いものを探し出すのが面倒だ、という人は是非このサイトをときどきチェックしてみてください。