就職や転職でハローワークは使える?ハローワークの求人の数や質は?
- ハローワークは政府公認の各地域密着型の求人紹介所で、特に就職が困難な人を対象にサポートしている
- 求職者であればどんな人でも利用することができる
- 無料で求人を掲載できるのでもの凄い数の求人が集まっている。そのため求人の質は良いとは言えない
- ハローワークを利用するメリットよりも、明らかにデメリットの方が目立つ
- 1. 初心者の観点からハローワークを解説
- 2. ハローワークとは
- 3. ハローワーク基本情報
- 4. どんなサービス提供してくれるの?
- 5. 求人の数や質は?どんな求人を扱っているの?
- 6. どんな人がハローワーク職員をやっているの?
- 7. ハローワークはどんな人が利用してるの?
- 8. ハローワークは在職中にも利用できる?
- 9. ハローワークは新卒でも利用できる?
- 10. ハローワークは10代や20代でも利用できる?
- 11. ハローワークにはブラック企業の求人が多い?
- 12. ハローワーク利用のメリット
- 13. ハローワーク利用のデメリット
- 14. ハローワークは就活や転活をする場ではない。雇用保険などの手続きの場として利用しよう
- 15. 転職には転職エージェント、新卒や既卒は就職エージェント/就活サイトを使おう
- 16. 就職や転職でハローワークは使えない
初心者の観点からハローワークを解説
ハローワーク初心者の私が、ハローワークについて徹底的に調べあげたので、今回はその結果を報告します。
新卒や既卒の就活、または転職でハローワークは有意義な媒体として使えるのでしょうか?
また、ハローワークの求人の数や質はどの程度のものなのでしょうか?
これらのみんなが疑問に思っていることを交えて、初心者の観点からハローワークとはいったいどういうものなのかを解説していきたいと思います。
重要なことなので先に結論を言ってしまうと、
ハローワークは、転職希望者や新卒、第二新卒、既卒、20代の若い未就業の方には適していません。
就活や転職の際にはハローワークは利用することは極力避けて、あなたのシチュエーションに応じたエージェントや求人サイトを利用するようにしましょう。
ハローワークとは
ハローワークとは、厚生労働省のHPによると以下のように定義付けられています。
民間の職業紹介事業等では就職へ結びつけることが難しい就職困難者を中心に支援する最後のセーフティネットとしての役割を担っています。
また、地域の総合的雇用サービス機関として、職業紹介、雇用保険、雇用対策などの業務を一体的に実施しています。厚生労働省からの指示を受け、都道府県労働局が地域の産業・雇用失業情勢に応じた雇用対策を展開しています。
ハローワークはその窓口となっています。
引用元:厚生労働省
簡単に言うと、政府公認の各地域密着型の求人紹介所で、特に就職が困難な人を対象にサポートしている機関です。
ハローワーク基本情報
ハローワークの所在地:
各地域ごとに管轄しているハローワークがあり、全国各地にあります。計544箇所(本所 436、出張所 95、分室 13)となっています。※2017年時点
住民票がない場所のハローワークでも利用可能です。また、一度ハローワークカードを作ってしまえば、どこのハローワークでも利用可能です。
実際の所在地については、厚生労働省のHPで確認してください。
営業時間:
営業時間は基本的に平日の8時半から17時15分までです。しかし、場所によっては9時半から18時までだったり、土曜日でも開いていたりするところもあります。
利用する場合には各自で利用するハローワークの営業時間を調べるようにしましょう。
人員体制:
職員数:10,536人 相談員数:15,702人 ※2017年時点
どんなサービス提供してくれるの?
ハローワークという言葉自体はよく耳にする機会はあると思いますが、実際にどういったサービスを提供してくれるのでしょうか。
求人を紹介してくれるところ、というイメージしかなかったので詳しく調べてみました。
ハローワークでは主に次のサービスを提供しています。
- 求職者に対する就職・転職についての相談・指導
- 適正や希望にあった求人紹介
- 雇用保険の受給手続き
- 雇用に関する国の助成金・補助金の申請窓口業務
- 求人の受理
求職者である私たちに関係するサービスは、1~3番となります。
そして、とくに「1. 求職者に対する就職・転職についての相談・指導」というのを具体的に説明すると、「就職・仕事に関する情報提供」や「就職に必要な資格の勉強や経験を積める職業訓練コース等」のサービスを提供してくれるとのことです。
また、職業訓練コースは国が実施するものと各都道府県が実施するものがあります。
職業訓練コースには有料のものもあるので、参加したい場合にはその日程と場所、利用料金を必ず確認するようにしましょう。
求人の数や質は?どんな求人を扱っているの?
ハローワークが扱っている求人数は全国で123万件以上となっています。※2017年時点
ハローワークは無料で求人を掲載することができるので、地方の中小企業やベンチャー企業、零細企業までの求人が集まることから、この莫大な求人数になっていると考えられます。
(ハローワークの求人情報は誰でも閲覧可能で、自宅のパソコンからインターネットでも見ることができます。)
一般的に考えれば分かるとおり、無料で求人が掲載できる状態ということは、質の良い求人があまり集まらない状態ということです。
すべてが悪い求人という訳ではありませんが、少し調べてみれば分かるとおり、条件の悪い求人やブラックのような求人もちらほら見受けられます。けっして、ハローワークの求人の質が良いとは言えないと思います。
また、ハローワークが扱っている求人の問題点は、カラ求人がとても多いということです。ハローワークの求人開拓員という位置づけの職員が求人を開拓しているそうです。
が、その求人開拓の仕方が、「無料なので求人出してください。」というようなお願いをするケースが多いようです。
その結果、企業側も役場からの申し出なので仕方なく求人を出すようですが、まったく雇う気はないが仕方なく求人を出しているという状況となっています。
これがカラ求人が多くなる実態です。
この状況を一刻も早く解消するべきなのですが、肝心な厚生労働省はまったくこのカラ求人の数や実態を把握していないとか…
また、ハローワークが扱っている求人は、求人票の内容と実際の仕事内容に大きく乖離があるケースが目立ちます。
もし、あなたがハローワークの利用を考えているのなら、求人の調査をしっかりし、ハローワーク職員への確認も怠らず、慎重に就活、転職活動を進めていくようにしましょう。
どんな人がハローワーク職員をやっているの?
ハローワークで求人を紹介してくれる人たちはどんな人なのでしょうか?
これから利用するのであれば、少しは気になる人もいると思います。
実際に私もどんな人がハローワーク職員として働いているのか気になったので調べてみました。
ハローワークの職員は公務員で、公務員試験を合格した方が職員として働いているようです。
公務員となり、各地方の労働局に採用され、さらにハローワーク配属が決まった人が働いています。
最初から、「ハローワークで求人を斡旋する仕事がしたい人が集まっているわけではない」というのが大きな注目点です。
公務員になろうとする人の属性を考えれば分かるとおり、単に「安定した仕事がしたい」という目的の方々ばかりが集まっていると思います。
それが起因して、よく噂でも流れていますが、普通の就職・転職エージェントなどにくらべサービスの質は低くなるということが考えられます。
私の考察では、やはり公務員ということもあり「売上」という概念がないので、目の前の人が就活に成功しようがしまいが給料は変わらないし、クビになることもない、そして公務員の方々は一番に安定感を求めて公務員という仕事を選んでおり求人紹介の仕事がやりたかったわけではない、という状況がこの求人紹介のサービスの質の低下を招いていると考えています。
また、下記のグラフが示すとおり、ハローワークは全国に544箇所あり、そこで働く正規職員の数は10,536人となっています。※2017年時点
近年では、ハローワークの正規職員数が急激に下がっているようですが、いままでどれだけ人材のリソースの無駄をさいていたのでしょうか…
ハローワーク職員数の推移
引用元:厚生労働省
ハローワークはどんな人が利用してるの?
ハローワークの1日の利用者数は約17万人にも上ります。
主に、一般職業紹介を利用している方が大半を占めています。
その他にも、母子家庭の母親や高齢者、障がい者といったすべての国民の就職実現のための支援を積極的に行っているようです。
ハローワーク利用者
引用元:厚生労働省
ハローワークは在職中にも利用できる?
在職中の方でも利用可能です。
自由な求人情報を入手でき、在職者を対象にした相談窓口もあります。
また、忙しい在職者でも受講可能な職業技術専門校の「短期講習」などの紹介もしてくれます。
この講習は平日の夜間や休日に実施されています。
民間のスクールと比べても低料金でキャリアアップに役立つテーマを扱っているのが良いところです。
その他、各職種の平均的な賃金や求人状況など、転職のキャリアプランを考えるうえで有益な情報も入手することができます。
ハローワークは新卒でも利用できる?
新卒の方でも利用可能です。
新卒応援ハローワーク(全国57ヵ所)を拠点として、大学等の教育機関と連携した就職支援を実施しています。この新卒応援ハローワークの支援対象者は、大学院、大学、短大、高専、専修学校等の学生、卒業後未就職(既卒)の方としています。
卒業後の就活についての各種相談、面接指導、就職面接会なども実施しています。
また、ジョブサポーターを活用して、学校訪問による未内定者の把握、求人開拓、職業相談や紹介なども実施しているようです。
そして、28年度の実績は、利用者数が約51.3万人で就職件数は約9.8万件となっています。
新卒や既卒でハローワークを利用したいという方は、普通のハローワークではなく新卒応援ハローワークを利用するようにしましょう。
ハローワークは10代や20代でも利用できる?
10代や20代の若者でも利用可能です。
わかものハローワーク(全国28ヵ所)を拠点として、10代や20代の若者に就職支援を実施しています。
このわかものハローワークの支援対象者は、正社員を目指すフリーター等となっています。
また、担当者制の個別支援により、正規雇用に向けたキャリアプランの作成、職業相談、職業紹介、各種セミナーを実施しているようです。
そして、28年度の実績は、利用者数が約21.8万人で就職件数は約10.5万件となっています。
10代や20代の若者でハローワークを利用したいという方は、普通のハローワークではなくわかものハローワークを利用するようにしましょう。
ハローワークにはブラック企業の求人が多い?
民間のエージェントと比べると、ハローワークが扱っている求人ではブラック企業の割合がかなり多いように思います。
求人が無料で掲載できるので、経営状況の思わしくない企業や労働環境が整っていないような、いわゆる人材がなかなか集められないような企業がハローワークに求人を載せているからです。
インターネットでハローワークの求人を調べれば誰でもわかるとおり、月給などの条件もあまり良くない求人が散見されます。
また、求人の職種についても、よく一般的にブラックといわれるような人を消耗させるような職種の数も、他の就職・転職エージェントよりも、かなり目立ちます。
また、求人を出している企業先の労働環境や内情などの調査も不十分です。
(私が思うに、ハローワークの職員はほぼその求人を出している企業について把握していないと思います。求人数が莫大なのでしかたのない面もありますが。)
そういった調査が不十分ということは、求人票にまったく信憑性がないということです。
ハローワークの中では良く見える求人でも、ふたを開けてみたらブラックだったなんてことも良く聞きます。
かといって、すべての求人がブラックということではもちろんありません。
もしハローワークを利用することになったら、求人選びには細心の注意を払う必要がありそうです。
ハローワーク利用のメリット
ここまで色々調べてきたなりに、私が見つけたハローワーク利用のメリットを挙げたいと思います。
1. その地域の求人が多い
地元に就職したい方や、地元密着型の事業やサービスを展開している企業に就職したい方に向いています。
2. 職業訓練が安く受けられる
資格や経験が必要な求人に応募したい場合に役立ちます。
また、在職中の方向けに対しては、平日の夜間や休日に開催されている職業技術専門校の「短期講習」の紹介もしています。各地域のハローワークで実施している訓練コースに違いがあることには注意が必要です。
ハローワーク利用のデメリット
1. ブラック企業の求人が多い
求人を無料で掲載できることから、おのずとブラック企業の求人は多くなります。また、ハローワーク職員の求人開拓の方法にも疑問を感じます。
ブラック企業の求人やカラ求人が多くなるのには訳があることをハローワークの職員の方は理解しているのでしょうか?
2. 求人票に信憑性がない
ハローワークの職員は、求人を出している企業についての情報(労働環境や内情)をほぼ知りません。
求人票の内容と実際の仕事内容がまったく異なるというケースも散見されます。そのため、求人票にまったく信憑性がありません。
3. サービスの質が悪い
民間の就職・転職エージェントに比べ、求人紹介サービスの質が悪いです。
公務員の方が提供しているサービスということで、民間の売上の概念が絡んだサービスよりも質が低くなることは必須です。
ハローワークは就活や転活をする場ではない。雇用保険などの手続きの場として利用しよう
ここまで、ハローワークについて調べ解説をしてきたとおり、就活や転職での利用は控えたほうがよさそうです。
やはりハローワークは、雇用保険などの手続きをする際に必要になる機関であると理解しておきましょう。
ハローワークは雇用保険などの手続き、給付金の受給などをするときに大いに活用しましょう。
転職には転職エージェント、新卒や既卒は就職エージェント/就活サイトを使おう
最初の導入部分でも述べたとおり、
ハローワークは、転職希望者や新卒、第二新卒、既卒、20代の若い未就業の方には適していません。
就活や転職の際にはハローワークは利用せず、あなたのシチュエーションに応じたエージェントを利用するようにしましょう。
普通の就活や転職活動において、唯一ハローワークが民間の就職・転職エージェントに勝っていると考えられるところは、メリットの2で挙げた、「職業訓練が安く受けられる」点のみです。
しかしこのハローワークが唯一勝っている点も、近い将来ハローワークを利用することのメリットとはならなくなります。
なぜなら、最近は民間の就職・転職エージェントでも無料の本格的な職業訓練のサービスを提供しているからです。
セミナー研修型やスクール型の無料就職支援を行うエージェントが増えてきていますし、今後も増加する傾向にあります。
こういったことから、転職希望者や新卒、第二新卒、既卒、20代の若いフリーターやニートの方が就活や転職活動をする際にハローワークを使う必要はない、むしろ使わないほうが良いと言えるでしょう。
やはり民間のエージェントを積極的に利用したほうが、就職・転職の成功率はグッと上がることは間違いないでしょう。
就職や転職でハローワークは使えない
今回はハローワークは就職や転職活動で使えるのか、その求人の数や質がどんなものであるのかについて説明しましたが、いかがでしたでしょうか?
ハローワークが扱っている求人の数や質などを知った上で、普通の就活や転職をする際に利用する価値はあまりない、ということを分かっていただけたと思います。
ハローワークを利用するまえに、まずは積極的に民間の就職・転職エージェントを利用するようにしましょう。
ハローワークは、一通りの民間の就職・転職サービスを受けたがまったく内定を貰えなかった、というときの最終手段だと考えておきましょう。