介護職転職の現在と将来の動向

介護職転職エージェント 介護職の転職現在と将来

えま
えま
介護職って将来性あるのか気になるわ。
きょう
きょう
働き手の不足が社会問題になってるね。この先介護業界がどうなっていくのか紹介するよ。

働き手の不足が深刻な問題となっている介護業界ですが、現在と将来の転職事情について、厚生労働省等のデータを基に紹介していきます。

介護職転職の現在と将来の動向
  • どう見る?介護職の有効求人倍率
  • 介護職の3年未満の離職率は?
  • 介護関係の仕事をやめた理由とは?
  • 高齢化率の上昇と要介護者数の推移
  • 介護サービス事業を運営する上での問題点は?
  • 今後、介護職員はどのくらい必要なの?

どう見る?介護職の有効求人倍率

あまり聞き慣れない言葉ですが、「有効求人倍率」とは何でしょうか?有効求人倍率とは、有効求職者数(ハローワークに登録して仕事探しをしている人数)に対する有効求人数(ハローワークに登録されている求人数)の割合で、雇用動向を示す指標となります。厚生労働省が全国のハローワークの求職者数と求人数を基に算出し「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」で、毎月公表しています。有効求人倍率は、有効求人数を有効求職者数で割って算出します。求職者1人に対して何人分の求人があったかを示すもので、倍率が1を上回れば求職者数よりも求人数が多く、就職がしやすいことを表しており、倍率が1を下回れば求職者数の方が多く、就職が難しいことを表しています

有効求人倍率(介護関係職種)の推移

【出典】令和5年版高齢社会白書(全体版)より

 

 全職業介護関係職種
有効求人倍率(令和4年)1.163.71

上の表からも分かるように、介護業界では、一人あたり3~4件の求人数があるということです。全体から見ても、介護業界は常に働き手を探しており、就職先に困ることはまずありません。ではなぜ、介護業界は常に働き手を求めているのでしょうか?

介護職の3年未満の離職率は?

一つは介護職の離職率の問題があります。1年間(令和3年10月1日から令和4年9月30日まで)に離職した者の勤務年数をみると、訪問介護員、サービス提供責任者、介護職員の3職種(無期と有期)離職者のうち3年未満が59.9%となっています

介護職の離職者の勤続年数

【出典】介護労働安定センター「令和4年度 介護労働の現状について」より

 

介護関係の仕事をやめた理由とは?

では、どのような理由で転職しようと思ったのでしょうか?介護関係の仕事をやめた理由については、全体では「職場での人間関係に問題があったため」が27.5%でした。男女別で比較した場合、男性では「法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため」が最も多く、女性では「職場の人間関係に問題があったため」が最も多くなっています。

介護関係の仕事をやめた理由

【出典】介護労働安定センター「令和4年度 介護労働実態調査 結果の概要について」より

 

介護職は働き手の年代の幅が広く、様々な価値観に触れることができるのも魅力の仕事ですが、それが負担に感じてしまうこともあります。また、利用者様やそのご家族、医療や福祉分野の人と関わる機会が多く、人間関係に疲れてしまうこともあります。

人間関係等の理由で離職率が増えれば、不足した人材を補充するため、働き手を求めるのは必然と言えます。

高齢化率の上昇と要介護者数の推移

もう一つは、高齢化率の上昇です。内閣府の「令和5年版高齢社会白書」によると、令和4年10月1日現在、65歳以上人口は、3,624万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)が29.0%となっています。また15~64歳人口は、7,421万人となり、総人口の59.4%となっています。今後は、「団塊の世代」の高齢化や総人口の減少等により、高齢化率は上昇を続け、令和19年に33.3%で3人に1人が65歳以上人口となります。令和52年には38.7%に達して、約2.6人に1人が65歳以上の者となることが推測されています。

高齢化率が上昇することで、高齢単身世帯や高齢夫婦世帯、認知症高齢者等、要介護対象者も増加するため、今後も介護業界での働き手の不足が続くことが予想されます。ちなみに、厚生労働省が公表している「介護保険事業状況報告(令和5年4月分)」によると、令和5年4月現在、要介護者は約696万人となっていて、介護保険スタートの2000年時点と比較すると、約2.71倍となっています。

令和52年には65歳以上の者1人に対して1.3人の現役世代という比率になり、家族だけで介護を担うことが、より難しい時代がやってきます。よって訪問介護員や施設介護職員の増員は必須であり、介護士の需要は今後ますます高まっていきます。

要介護度別認定者数の推移

【出典】令和5年版高齢社会白書(全体版)より

 

介護サービス事業を運営する上での問題点は?

そして最後に介護職の雇用の難しさです。介護士は大変な仕事の割に給料が安く、忙しくて休みも取れない等、まだまだマイナスイメージが強く、他の職業と比べると人気が少ないかもしれません。

介護サービス事業を運営する上での問題点

【出典】介護労働安定センター「令和4年度 介護労働の現状について」より

 

今後、介護職員はどのくらい必要なの?

今後、ますます働き手を必要とする介護業界ですが、将来的にどのくらい介護職員が必要なのでしょうか?

令和3年7月9日に第8期介護保険事業計画の介護サービス見込み量等に基づき、都道府県が推計した介護職員の必要数を公表しました。それによると、2019年度(211万人)と比較して、2023年度には約233万人(+約22万人(5.5万人/年))、2025年度には約243万人(+約32万人(5.3万人/年))、2040年度には約280万人(+約69万人(3.3万人/年))の介護職員を確保する必要があると推計されています。

第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数

【出典】厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」より

 

以上のことから、今後も介護職での転職は安泰と言えそうです。まだまだ「きつい・汚い・給料安い」というネガティブなイメージが根強く残っていますが、国が処遇改善対策を明示し、介護事業所でも処遇改善に取り組むところが増えてきています。そして、介護というものは年齢や性別、学歴等には関係なく、誰しも活躍することができ、未経験からであってもキャリアアップを目指せる職種となっています。今後の需要拡大に伴い、ますます処遇改善も進んでくることでしょう。決して楽な仕事ではありませんが、やりがいと今後の将来性ある介護という仕事が、是非魅力ある仕事になることを願っています。

Posted by ジョブハンティング.com