派遣社員、契約社員として働くメリットの嘘(ウソ)
- 派遣社員、契約社員として働くことのメリットが嘘であることを解説
- 「責任が無くて気楽に仕事ができる?」⇒ 派遣や契約社員でも責任は正社員と変わらずにある
- 「さまざまな会社でいろいろな経験が積める?」⇒ どこへ派遣されても仕事内容自体には大差がない
- 「仕事内容や仕事をする時期を選べる?」⇒ 結局は制限された選択肢の中で”選ばされている”だけにすぎない
派遣社員や契約社員のメリットは本当?
派遣社員や契約社員として働くことのメリットをインターネット上で調べると、よく次のようなメリットが挙げられています。
- 責任も無くて気楽に仕事ができる
- さまざまな会社でいろいろな経験が積める
- 仕事内容や仕事をする時期を選べる
果たしてこれらのメリットは本当なのでしょうか?
今回は派遣、契約社員として働くことのこれらのメリットが嘘であることを解説します。
正社員になるこはそんなに難しいことではありません。
今現在、派遣や契約社員として働いている方、正社員としての就職活動を挫折して派遣会社への登録を考えている方は、これらの情報に踊らされることなくしっかりと現実を見つめて正社員を目指しましょう!
正社員になる方法は下記の記事をチェック。
派遣や契約社員は責任も無くて気楽に仕事が出来る?
派遣、契約社員のメリットといえば、まず一番初めに出てくるのがこの「仕事に責任を持たなくて良いから気楽」というものです。
これは全く事実と異なります。
そもそも責任の無い仕事なんてこの世の中どこにも存在しません。
実際に派遣社員や契約社員として働いている人が、このようなメリットを挙げる場合が多いようです。
このメリットが挙がる理由
なぜこんなメリットが一番に挙げられるのか、その理由を説明するのはとても簡単です。
その理由とは「次の派遣先を紹介してもらえばいいや」「また他の会社と契約すればいいや」と考えることができるから気楽と感じているだけです。
仕事が気楽であるかそうでないかと感じるのは、結局はその人の気持ちの持ちようによるところが大きいだけであって客観的にみたら責任の有無や重さにはまったく関係ありません。
正社員であれ、派遣、契約社員であれ、仕事に対してはひとりの人間として平等な責任を負っていることがほとんどです。
何か失敗があったときに正社員の場合は、その会社が直接抱えている社員だからこそ厳しく注意され、処罰されることもあります。
一方派遣や契約社員の場合は、その場では厳しいことは言われないでしょう。会社側は契約を更新しなかったり、契約打ち切りにすればいい、と考えているので強く言わないだけであって十分に派遣や契約社員の責任について頭の中で考えています。
ただ、その場では厳しく言われないし、その場では処罰されないだけです。
では、気楽に考えることって正社員の場合は実践できないのでしょうか?
そんなことはありませんよね。たとえ正社員として働いていたとしても、「まぁいいや」と軽く考えることができる人は気楽に違いないからです。
安定した生活をわざわざ捨てて派遣や契約社員を選んでまで気楽に仕事したいと思うくらいの度胸があれば、はっきりいって正社員で気楽に考えて働くことを実践すればよいだけです。
派遣社員だった知人のはなし
実際に私の知り合いにも契約期間の途中で打ち切りにあった人がいます。
なんと、正社員が責任を取るべきところを派遣社員に取らせたのです。
おそらく派遣や契約社員の立場が弱いことを利用したのでしょう。
そのプロジェクト内容自体に問題があったにも関わらず、一人の派遣社員の仕事内容に問題があったと決め付けたのです。
この例は会社の体制に問題があるところもありますが、この事例からも派遣や契約社員が責任を追わなくて良いというのは全くの嘘であることが分かります。
派遣、契約社員の責任の取らされ方
派遣、契約社員の責任の取らされ方は残酷です。
それは「契約の打ち切り」「契約更新をしない」です。
つまりその派遣先、契約先からクビを宣告されたようなものです。
悪く言えば派遣や契約社員は使い捨てのコマということです。
たとえ、上記のような処分を受けたとしても派遣や契約社員には次の会社があると思いますが、仕事や勤務態度上で重大な失敗などをしたときはその報告が派遣会社にももちろん報告が上がります。
そうするとその人はどうなるでしょうか?そんな人に派遣会社は次の派遣先を紹介してくれるでしょうか?
もし正社員の人が同じ失敗を起こしたらどうなるでしょうか、厳重注意や、どんなに酷くても減給処分されるぐらいでしょう。(犯罪行為などによる懲戒解雇などは別です。)
つまり、クビになることはありません。
会社はその人が正社員であるかぎり不当な首切りはできません。
正社員の場合は、自分で”辞める”という選択肢はあっても、会社に”辞めさせられる”という選択肢はありえないのです。
では、派遣や契約社員の場合はどうでしょう?
期限が切れれば更新することなく契約終了というかたちで簡単に”辞めさせられてしまう”し、契約期間の途中であっても”契約打ち切り”というかたちでも”辞めさせられてしまう”可能性があるのです。
これだけは覚えておこう
いま派遣社員や契約社員の人、これからなろうと考えている人に覚えてもらいたいことは次のとおりです。
- 仕事を気楽にできるかそうでないかは、結局その人の気持ちのもちよう
- 責任というものはその仕事自体にかかっているものであって、正社員だから、派遣、契約社員だからと人によって責任の有無や重さが変わるわけではない
- 派遣や契約社員はその場で処罰されないだけであって、あとで「契約打ち切り」「契約更新をしない」というかたちでその責任が問われる
- 重大なミスを犯した場合などは派遣会社に報告され、次の派遣先が紹介されなかったり、待遇が悪くなったりする
はたしてこれで、派遣や契約社員には責任が無いから気楽に仕事ができるって言えるのでしょうか?
「責任も無くて気楽に仕事ができる」というメリットはウソです。
気楽に仕事したいという人も多いと思いますが、そういう人は正社員になってから気楽に働きましょう。
派遣や契約社員はさまざまな会社でいろいろな経験が積める?
このメリットは半分は本当で、もう半分は嘘と言えます。
派遣や契約社員としてなら、正社員としては入社できないような会社で働けることがあったり、普通では経験できないようなプロジェクトに携われたりと、さまざまな経験が積める可能性があるということは事実です。
しかし派遣や契約社員として働く場合は、もちろんその仕事や事業に対する裁量は持てません。
ただただ言われた作業をこなすだけになります。
しかもその仕事内容ですが、面倒くさい単純作業をやらされるか、その人が過去に経験のある業務を任されるくらいです。
経験のある仕事を任されるならいいじゃない?と考える人もいると思いますが、それはつまり言い換えると以前に他の会社でやっていた同じ仕事内容の繰り返しになるということです。
仕事をする場所や事業が変わるだけで実際の仕事内容は前とおなじ。それっていろいろな経験を積んでいることになりますか?
つまり、半分は本当で半分は嘘と言ったのは、会社や職場環境が変わることによる経験は積めるが、仕事内容自体にはさほど大差がないことをやらされるだけで経験を積んでるとは言えない、ということです。
派遣や契約社員は仕事内容や仕事をする時期を選べる?
仕事内容や仕事をする時期を選べるというメリットも嘘です。
これをメリットと呼ぶことは決してできません。
”選べる”というのは語弊のある言い方で、制限された選択肢の中で”選ばされている”が正しい表現であると考えます。
仕事内容を選べる?
まずは仕事内容が選べるというメリットについてですが、あなたが携わりたいと考えている仕事内容や労働条件の派遣、契約先は他の多くの人も携わりたいと考えていることがほとんどだと思います。つまり人気のある派遣先だということです。
そんな人気のある派遣先をタイミング良く選択できる確率はどのくらいでしょうか?
その派遣先を希望する人たちの中で、あなたのスキルは高く優先して派遣される、なんてことはあるでしょうか?
また、あなたの希望する条件に合った派遣先は選べるほど存在するでしょうか?
運よく希望する派遣先にたどり着けたとしても、それはあなたが”選んでいる”とうことにはなりません。
仕事をする時期を選べる?
次に仕事をする時期についてですが、これはある程度融通が利くはずです。
なぜなら特定の契約期間の派遣、契約先を選べば良いからです。
その場合は、労働条件や仕事内容といった選択肢を捨てなければならないはずです。
労働時期だけを選択できれば他の条件は全く気にならない、というのであれば仕事をする時期だけを考え会社を選べば良いとは思います。
しかし、労働条件や仕事内容を全く考えないなんて人はいないですよね?
労働時期以外の要素が入ってきてしまうと、仕事をする時期を自由に選ぶということはとたんに難航します。
ある程度の妥協が必要となり、仕事をする時期を完璧にコントロールすることは非常に難しいと言えます。
派遣労働者もしょせんは派遣会社の社員
派遣であったとしても、結局は派遣会社の社員です。
その派遣会社は会社としての利益を上げることが目的で、多くの派遣先に社員を送ることを第一としています。
あなたに選択の機会を与えることよりももっと大切なことがあるのです。
派遣会社は利益を上げるために、いかに効率良く社員を派遣先に送るかを考えています。
そんな中であなたが選択をしたとして、その選択は受け入れられるでしょうか?
よっぽど優秀な人なら話は別ですが、ほとんどの方の場合はそうならないはずです。
派遣会社が提示した派遣先の中から選択させられるのは当たり前で、しかも選択するという権利すら与えられずただ指定された派遣先に送られる場合もあります。
つまり派遣や契約社員は、結局は制限された選択肢の中で”選ばされている”だけにすぎないのです。
働き方は人それぞれ
派遣や契約社員になることのメリットが嘘であることを解説してきましたが、それでも派遣や契約社員の労働形態が合っている人がいることもまた事実です。
心身に問題を抱えている人や家庭環境の問題で正社員として働けない人には、派遣や契約社員として働き続けるという選択肢が必要であることは間違いありません。
そういった方にまで無理に正社員を目指すべきと言っているわけではありません。働き方は人それぞれあって良いと思います。
しかし、ほとんどの人は正社員になる努力を全くせず現状に甘えている方ばかりでないでしょうか?
派遣、契約社員としてのメリットを感じることによって自分を肯定しているに過ぎないと感じます。
正社員として働いていける環境にいるにも関わらず、派遣、契約社員でいる人は、それらのメリットの嘘に気づいていただきたいですね。
派遣、契約社員になることは簡単なので、一度正社員になってそれでもどうしても肌に合わないというのであれば、そこではじめて派遣や契約社員の労働形態で働くという選択を考えれば良いのではないでしょうか。
派遣、契約社員として働くことのメリットは嘘
これらの派遣、契約社員であることのメリットが嘘であることは理解できましたか?
⇒ 責任は派遣や契約社員でも正社員と変わらずあります。気楽に仕事をやれるかは気持ちの持ちようの問題で、たとえ正社員だとしても仕事は気楽にできます。
⇒ 会社や職場環境が変わることによる経験は積めるが、仕事内容自体にはさほど大差がない作業ことをやらされるだけで経験を積んでるとは言えない。
⇒ 結局は制限された選択肢の中で”選ばされている”だけにすぎない。
派遣や契約社員であることのメリットは、極一部の人を除いてほとんど存在しません。
幸いにも現在、人材売り手市場でどこの企業も人材の確保に力を注いでいます。
この現状を逃すのは非常にもったいないことです。
すぐにでも正社員を目指したほうが良いでしょう。
派遣や契約社員から正社員になる方法は下記の記事を確認してくださいね。