既卒者を新卒枠として採用している企業の割合
既卒者を採用している企業の割合(企業規模別と業種別)を見ていきましょう。
次の2つの表は、労働政策研究・研修機構の調査シリーズ「企業の多彩な採用に関する調査」をもとに作成しています。
新卒採用で何年前までの既卒者を対象とするか(企業規模別)
企業規模 (従業員数) | 前年度卒 のみ | 卒業から 2年まで | 卒業から 3年まで | 合計 |
100人未満 | 17.4% | 11.2% | 21.8% | 50.4% |
100~299人 | 20.5% | 13.1% | 21.2% | 54.8% |
300~999人 | 19.7% | 10.9% | 25.3% | 55.9% |
1000人以上 | 12.9% | 9.6% | 34.6% | 57.1% |
分かること:大手企業ほど既卒を新卒として扱う傾向
この表を見ると、企業規模が大きくなればなるほど既卒者を新卒として扱う企業の割合が増えていることが分かります。とくに、「卒業から3年まで」の既卒を新卒として扱う企業の割合は、1000人未満の中小企業よりも大手企業のほうが約10%高くなっています。
新卒採用で何年前までの既卒者を対象とするか(業種別)
業種 | 前年度卒 のみ | 卒業から 2年まで | 卒業から 3年まで | 合計 |
鉱業、採石業、砂利採取業 | 20% | 0% | 0% | 20% |
建設業 | 8.6% | 10.9% | 26% | 45.5% |
製造業 | 11% | 7.5% | 14.6% | 33.1% |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 13% | 4.3% | 34.8% | 52.1% |
情報通信業 | 10.6% | 7.1% | 23% | 40.7% |
運輸業、郵便業 | 7.9% | 7.3% | 15.5% | 30.7% |
卸売業、小売業 | 13.1% | 7.1% | 17.9% | 38.1% |
金融業、保険業 | 12.9% | 11.3% | 48.4% | 72.6% |
不動産業、物品賃貸業 | 10.3% | 13.8% | 10.3% | 34.4% |
学術研究、専門・技術サービス業 | 8.6% | 7.4% | 23.5% | 39.5% |
宿泊業、飲食サービス業 | 11.8% | 8.1% | 14.2% | 34.1% |
生活関連サービス業、娯楽業 | 17% | 10.6% | 17% | 44.6% |
教育、学習支援業 | 16.2% | 3.2% | 15.7% | 35.1% |
医療、福祉 | 13.9% | 8.0% | 13.2% | 35.1% |
複合サービス事業 | 11.4% | 5.7% | 30% | 47.1% |
その他のサービス業 | 12.2% | 5.5% | 15.8% | 33.5% |
分かること:ほとんどの業種の企業では3割以上が既卒を新卒として扱う
この表を見ると、ほとんどの業種において3割以上の企業が既卒を新卒として扱っていることが分かります(鉱業系以外の企業)。とくに既卒を新卒として扱う傾向が強い業種は、金融業、保険業、電気・ガス・熱供給・水道業、複合サービス事業などが挙げられます。