不当に残業代が出ない4つの代表的なケースにご用心

不当に残業代が出ない4つの代表的なケースにご用心
今回のポイント

  1. よくある残業代が支払われていない4つケースをご紹介
  2. 企業で働く労働者には働いた分の賃金がしっかりと支給される権利がある
  3. 「みなし労働時間制」の労働に該当する場合には、残念ながら残業代は法律に則っても支払われない

不当に残業代が出ない4つの代表的なケースにご用心

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残業代が出ないのはれっきとした法律違反

ブラック企業や中小・零細企業で働いている方の中には、「所定の労働時間を超えて働いているのに残業代が出ない‥」とお悩みの方は多いかと思います。

会社は残業をした労働者に対して残業代を支払う義務があります。

しかしながら近年の労働契約は、法律で定められているルール(労働基準法)と会社が独自に定めている就業規則や書面での労働契約内容とが混在してかなり複雑化してきています。

それにより、残業に関しても会社独自のルールによって残業代が出ない理由を作ることで企業は残業代の支払いを逃れている現状があります。

会社で独自の就業規則を作ることであったり、労働者との個別の労働(雇用)契約を結ぶことはもちろん問題ありません。

しかしながらそれはあくまでも国が定める労働基準法を守った上でのことです。

実際にはこの労働基準法から明らかに逸れた会社独自の社内ルールを定めて、従業員に過度な労働を強いているにも関わらずその分の残業代を支払っていないケースが多くあるんですね。

要は言葉は受け取り方次第とでも言いますか、労働基準法の規定内容の隙をついたり、労働者の間違った認識を利用したりすることで、如何にも「我が社は労働基準法にそって就業規則を定めた上で合法的に残業代は支払っていませんよ。」という見かけ上正当な形を作っているのです。

会社から

上司
これは社内ルールで決まっていることだから。
上司
うちは○○制の労働だから当然残業代は支払われないことになっている。

などと言われれば大抵の労働者は納得してそのルールで働いてしまいます。

しかしながら法律的に残業代が支払われないでも良い場合というのはごく一部の職種・ケースだけに過ぎず、ほとんどの企業では従業員が時間外労働をした際にはしっかりと残業代を支払う義務があるのです。(※残業代が支払われなくともよいごく一部のケースについては記事下のほうでご紹介しています。「法律上残業代が請求できないケースもある」)

法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて働いた場合、法律上は時間外労働と見なされて必ず残業代が発生します。

お給与明細を見て残業代が支払われていない、見込みより明らかにお給与が少ないといった場合には不当に残業代が支払われていない可能性があります。

そういった場合は一度弁護士に相談されてみると良いでしょう。

それでは、この記事ではよくある残業代が支払われていないケースについてご紹介致します。

不当に残業代が出ない4つの代表的なケース 

不当に残業代が出ない4つの代表的なケース

  1. 管理職(管理監督者ではない管理職)
  2. 就業規則に残業を制限する内容がある
  3. 月給もしくは日給の固定給に残業代がすでに含まれている
  4. 変則型の労働体制や給与制度

① 管理職(管理監督者ではない管理職)

労働基準法では「管理監督者には残業代を支払わなくても良い」という規定があります(労働基準法第41条)。

この内容により、企業は一部管理職には残業代を支払わないことがあります。

しかしながら、ここでいうでいう”管理監督者”とは労働基準法で明確な規定が定められており、例えば店長であったり部長や課長といった管理職が必ずしもこの管理監督者に該当するわけではありません。

以前「名ばかり管理職」という言葉が流行るきっかけとなった、平成20年頃の飲食系企業最大手であるマクドナルドの店長が未払いの残業代の支払いを求めた訴訟が有名ですね。

このケースでは事実上管理監督者に該当しないにも関わらず、長期に渡って残業代が支払われていなかったことが認められ、この店長に対して未払いの残業代を含む750万円の支払いを認める判決となりました。

② 就業規則に残業を制限する内容がある

会社によっては「残業代は月20時間まで」「残業禁止」といった社内規則を設けていたりする場合があります。

前者のような会社は当然その上限を超えた分の残業に対しては残業代を支払いませんし、後者「残業禁止」としているようなところは定時を過ぎるとタイムカードを押せなかったりします。

そのような会社であれば当然労働者はできる限り定時で上がれるよう努力をする必要がありますが、明らかに規定の時間内で終わるような仕事量ではない場合には会社側に問題があると言わざるを得ません。

如何に会社独自の残業関連を含めた就業ルールを定めたとしても、残業せざるを得ない状況下においては労働者は残業をするしかなく、当然のことながら企業にはその分の残業代を労働者に支払う義務があるのです。

労働基準法で定められている「法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた分の残業代の支払い義務」というものは法令における強行法規(何よりも優先して適用される規定)に該当し、例え当事者間の合意があろうが書面などで同意していようが違法な契約として無効となり、残業代をしっかりと受け取る権利が労働者にはあるのです。

③ 月給もしくは日給の固定給に残業代がすでに含まれている

月給もしくは日給の固定給の中に残業代を含めて就業規定しているケースは商社などに多いですね。

これらの中には雇用契約書などで「月給30万円(15時間分の残業代2万円を含む)」といった風に含まれている残業時間が明記されているケースもあれば、「月給33万円(残業手当含む)」といった風に残業時間が明記されていないケースもあります。

前者ではその記載時間を超えて残業をした場合には当然その超過分の残業代が支払われなければなりません。

しかし、後者のように時間が明記されていないケースは問題です。

このような会社は労働者に違法なサービス残業を強いている可能性がありますので注意しておきましょう。

④ 変則型の労働体制や給与制度

時間に縛られず柔軟に出勤・退勤ができる「フレックスタイム制」、成果・出来高に応じて給与が決まる「歩合制(コミッション制)」、繁忙期や閑散期などに合わせて法定労働時間の範囲内で柔軟に労働時間を設定できる「変形労働時間制」といった変則型の労働体制や給与制度を定めている企業が近年増えてきました。

それぞれの制度は高い業務成果を生むための企業の施策であるわけですが、そうした就労体制を利用して企業が残業代の支払いを免れているケースもよく見られます。

しかし、例えいずれの体制であっても法定労働時間(1日8時間、週40時間)というものは何よりも優先して適用されますので、それを超過しての労働にはもちろん残業代は支払われることになります。

労働体制や給与制度に惑わされず、法定労働時間を意識することで損のない働き方をしていきましょう。

その他のケース

この他にも従業員が残業せざるを得ない状況であるにも関わらず、残業をしてもその残業代が支払われていないケースというのは多々あるものです。

例えば、既定の就業時間内に終わらなかった仕事は家に持ち帰って残業するケースがあります。

会社からの指示によるものであればちゃんとした労働時間にあたる可能性が高いため、残業代は支払われなければなりません。

また、残業というと終業時間以降の時間を指すと捉えがちですが、所定の労働時間以外に働く時間は本来全て残業と定義されるのです。

そのため、仕事量が多い日などに早めに出勤して仕事を始めることも残業の1つです(朝残業)。

当然この場合も残業代は発生します。

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法律上残業代が請求できないケースもある   

法律上残業代が請求できない2つのケース

  1. 事業場外みなし労働時間制(事業場外労働制)の場合
  2. 裁量労働みなし労働時間制(裁量労働制)の場合

お給与や残業代は通常全て、実際に労働した実労働時間で算定されます。

しかしながら日本の労働基準法では、特定のケース・職種においては労働者が何時間働いたかに関わらず、あらかじめ就業規則などで定められている労働時間働いたものとみなすという制度が設けられています。この制度のことを「みなし労働時間制」といいます。

なぜこういった制度があるのかといいますと、例えば使用者にとって労働者の実労働時間の把握が困難であったり、あるいは専門的・創造的業務であるために労働量が必ずしも成果と比例しないようなものである場合には、通常の実労働時間でお給与や残業代等を算出するのが不適切となるためです。

このみなし労働時間制には次の「事業場外みなし労働時間制(事業場外労働制)」と「裁量労働みなし労働時間制(裁量労働制)」の2つの種類があります。これらの労働に該当する場合には、残念ながら残業代は法律に則っても支払われないことになります。

① 事業場外労働の場合

営業職など外回りが多い職種によくあるのですが、例えば会社の就業規則などに「対象従業員は1日8時間労働したものとみなす」といった規定があれば、仮にある日従業員が10時間外回りの営業などで働いたとしても、法定労働時間を超えるその2時間は時間外労働とは見なされず、残業代は発生しません。

これは「事業場外みなし労働時間制」と呼ばれるもので、労働基準法第38条の2に記されています。

労働基準法 第三十八条の二

労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。

引用:電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ「労働基準法」

② 裁量労働の場合

裁量労働とは実際の労働時間を会社が定めて管理するのではなく、労働者が成果第一で自己管理する(実労働時間には左右されない)労働のことをいいます。

代表例としては、研究開発を行う企業やIT関連の分析業務を行っている企業などになります。

この裁量労働に関する極端な例を挙げれば、労働者は例え1日12時間働いた場合でも、逆に1日1分しか働かなかった場合であっても、会社の定める所定の労働時間働いたものとみなされるのです。

当然そこには”時間外労働”という概念はありません。

この裁量労働に関してはあらかじめ使用者と労働者の間で書面による取り決めが行われている上で成り立っています(=労使協定)。

まとめ&残業代が出ない時の対処法

いかがでしょうか。上記のように企業は少しでも人件費を抑えようとして不当に残業代を支払わないケースがよくあります。

一部にはブラック企業とも呼ばれるように悪徳な企業もあります。

繰り返しますが、企業で働く労働者には働いた分の賃金がしっかりと支給される権利があります。

しかしながら、そのことを意識せずに不利なサービス残業を強いられていることが多いのが日本の現状です。

2019年4月から(中小企業は2020年4月から)厚生労働省の働き方改革により、時間外労働の上限規制「月45時間、年360時間」が始まったことで過度な長時間残業はなくなるでしょうが、それでも企業によっては残業代が支払われない可能性があることは今後も変わりません。

もし本記事をお読みになって、

これまで不当なサービス残業を強いられてきたかも…

とお気づきになられた場合には、一度上役に残業代に関して相談してみると良いでしょう。

もし納得できなかったり問題が解決しないような場合には、企業の労働問題に強い弁護士に相談してみるのもおすすめです。

あるいはそうした企業に嫌気がさしたという場合には、転職を検討されてみるのも1つの選択肢になるかと思います。

賃金が発生しない時間が多くあるような職場でずっと働き続けるというのは、労働者にとって大きな不利益であることは明らかです。

時間とは限りあるものなのですから生産性のあるものにしたいですよね。

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